2019年11月9日土曜日

2019年11月9日(土)宮城県大郷町災害VC

台風19号のボランティアも今年度は4回目となり、年間4回は久々ですが、今回は地元に戻ってきました。
個人的な話ですが、宮城県大郷町VCは去年99で亡くなったばあちゃんの家のすぐそばで、吉田川の堤防が決壊した粕川はこれまた戦死したじいちゃんの実家とお寺がある。
ばあちゃんは戦争でじいちゃんを亡くした後も足しげく粕川にいっていた。そしてお墓のあった寺も水を被ってしまった。
これはいくしかない、と思いつつも色々な用事が立て込み、なかなか行けず今回に至る。

さて、ボラセンはナビがなくても行ける場所。

9時前に着くと人影はまばら…

ここのボラセンの特徴としては、

①完全装備をして準備してから受け付けへ
②現地へはバスで送迎される。
③ボラセンから資材を持っていくことはない。

受付からマッチングまで実にスムーズで本当によく機能しています。
体育館の椅子に座った5人が1チーム。

なんと…女性が多いチームに入ることに。
バスが来たら現場に向かう感じらしく、到着まで15分ほど。ピストン輸送している模様。乗り合いのバスは補助席もフル活用してロスがない。
悪く言えばギューギュー詰め。と言っても現場まで10分の距離なのできになりません
バス内では慣れた説明に一同耳を傾ける。
漬物の中身は生ごみとして集めるので今回は集めないように、というローカルルール。


サテライト的な拠点にバスがとまり、ここでニーズに合った割り振りをされる。

自分達は「泥掻き」
えっ!!!
泥かき!!
なぜか泥かきという言葉に思わずテンションが上がってしまうのは悪い癖ですが、
つらい、厳しい状況に自ら首を突っ込みたくなるのは東日本大震災で身に着いたものでしょうか。
なんと、ここで必要なものはネコ車にすべて積み込んである。
準備万端です。
バールチーム(床板ガチ勢)の後にくっついてどんどん泥を出すというとても効率的な作業になりそう。

現場はおじいちゃんが一人で掃除をしていました。
まずは庭に出された家具をトラックにどんどん積む作業から。

そして窓枠を外しいよいよ床板剥がし。

バールチームのリーダーはプロの人で、トラックにに家具を積むときにも
『トラックに上がらないで!ハーネスがない人は上がれない、155センチ以上なんたら…』と言いながら、
ボランティアの安全管理を徹底しています。
床板もどんどん外していきます。
自分も手伝わせてもらいましたが、80センチ級のバールも揃っており楽々剥がせました。
とにかく凄いスピードです。
一部屋片付いたところで10分休憩


汗だくになりますが、止まると急に寒くなる。
リーダーから、『飲み物には口をつけないでまず口に含んでうがいしてから飲むように』と、ここでも安全管理の徹底ぶり。

どうやら解体作業の現場責任者のなんだかかんだかの資格を持ってらっしゃるようです。
どうりで…
さて、床板、そして床板を支えていた梁まで外し、中の泥だしが楽になります。
と言ってもあまり泥が無い。おそらく、入り口に草などが詰まってそれほど中に水が入らなかったと思われます。

土嚢に詰めて、縛って…懐かしい作業です。
そうこうしているうちに午前の部終了。

作業中は汗だくなのに止まると寒くなってしまうのでこの季節は注意が必要です。

午後は1時から。
今度は残った部屋の泥出し。こちらもそれほど無い。

そうこうしているうちにリーダーがサテライトから消石灰を2袋持ってきたようです。
これをまずは床下にふりまき乾燥させる。

あれ、オスバンの消毒はいつだっけ…忘れてしまいましたが。
ちなみに、消石灰が目に入ると大変なのでばらまく際にはできればゴーグルが必要です

ガチ勢の活躍で2時には作業が終了し、みんなで掃除をします。
誰も何も言わないのに、黙々と泥を落としたり、家の中に入った土などを掃除する
玄関先、庭の枯れ木まで掃除している。
今日のチームは凄いなぁ…

女性が多いとやっぱり細かいところにまで気を遣って下さるのでいいなぁ

自分は掃除をしながら家主のじいちゃんと話をします。
被災された方々は誰かに話をすることで気が紛れたりするものです。
5分で水がきて、すかさず2階に上がったこと。ヘリコプターで近隣の人が救助されてるのを見ていたということ。車はダメになった。車屋にどんなのでもいいと言ったら持ってきてくれた。(ちょっと大丈夫な車なのかは謎ですが…車検的な)話し出すと止まらない。

なんと、じいちゃん、若い時に横浜の港北区に住んでいたと。
若い時20代から20数年いたそうです。
自分の職場も港北区なので思わぬ偶然に花が咲きます。
あのころは、景気良くてさ…六本木のクラブに接待されて…
好きなの飲めと言われて指さしたら、間違ってその一段上の一本17万のボトルが来て飲んじゃんったよ、とか。自ら「もう俺、ブイブイ言わせてた」とか言っちゃってます。
今はなき、よき平成のバブリー。
話してるじいちゃんの笑顔を見ていると疲れなど吹っ飛びます。
でも最後、みんなが撤収するとき、寂しそうに、『また来てよ、涙でちゃうんじゃねぇか?』って自分たちが見えなくなるまで見送ってくれたじいちゃん。最後は深々とお辞儀してくれた。これからも元気でね!

2時半にサテライトに戻りバスでVCに戻ります。
手洗い、うがいの励行、靴も消毒
実は高校の友達の某地元有名新聞社K新報社に勤めるりゅうたくんが発災直後に泥かきをやって腰を完全にやっちゃったようです。

そのころに比べたら、今はもうだいぶ片付いた…とのことですが、まだまだニーズはありそうです。
そうそう、ここにきて気づいたこと、そして嬉しいのはこんな「片田舎」と言うつもりはないのですが、決して仙台市街地からは近くないこの場所に多くの若者が来ているということ。バスでどっかの野球部が来ていたり、大学生も。お母さんときた若い子も。若い世代がボランティアに来てくれるってなんか嬉しい。そういえば今年20になる教え子も『やりたい』と言ってくれてる。

とはいえたくさんの人が来てくれて、いくら床板剥がしをしても、それで作業は終わるかもしれないけど、家主さんが本当に大変なのはここからだと思います。直して住むのか、リフォームか、建て替えるか、はたまた取り壊すか…

粕川は今、町が移転を推奨しているようで、残りたいと思う方と意見が割れているという話も聞きました。
家を建て直したりしてもまた大規模な災害が発生する可能性は強い地域で、
数年前に同じように川は氾濫しているので、おそらくまた次も…
という感じなのでしょう。

そういえばココイチの1000円分の食券頂きました。
1000円もいいの!!!?

全国で使えるそうです。横浜のウチの近くにも鶴見店があるので行ってみようっと。
ココイチは災害が発生するたびにこういう形で支援をしてくれる。
ありがたい。

あ、温泉にも無料で入れるようですよ~

ひしゃげたフェンス




新しい畳が被災したのか、被災した畳が集められたかは謎


救助が必要なのでしょうか?

川に近い地域はこんな感じです
ひっさびさに実家のカッパ着たらポッケの中が溶けてました


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