2019年9月24日火曜日

2019年9月22日(日) 千葉県鋸南町ボランティアセンター(台風15号)

もうこのサイトは自分のもののようになってしまっていますが久々の更新です。

台風15号の影響は凄まじく、千葉で大規模な停電を引き起こしただけでなく、家屋にも甚大な被害をもたらしました。広範囲が被災し2週間経ち、未だ電気が復旧していない地域も多く、ボランティアセンターも開設しだしました。

今回は色々と悩んだ挙げ句、単身鋸南町VCへ。
他の場所は専門職を多く募集しているので避けました。
こちらは報道もされてボランティアの数は増えているようですが。

今回より災害派遣従事車両等証明がpdfをダウンロードする方式に変わったため、わざわざ横浜市役所の危機管理課に書類を出して、数日後にまた取りに行くという手間が省けたばかりでなく、天災Aのボランティア保険も、ネットでクレジット決済で可能に。

車両の通行に関する詳細は以下
https://www.e-nexco.co.jp/road_info/important_info/h31/0913b/

自分の住んでる鶴見区は社協で申請すると、銀行か郵便局(歩いて結構距離ある)で振り込んできて、その証明書もってこいとなり、二度手間かかる本当にめんどくさい作業なので助かります。

朝6時半に出発。
千葉方面に行くには首都高速汐入インターから乗りますが、係員がよくわかっていなくて5分ほど時間を取られました。後続の車に申し訳ない。他の料金所でも同様。書類を出す→通行券を出す→免許証を確認→車のナンバーを出てきて係員が確認→むこうの書類に記入→最後にどっかに電話して許可を取る→料金の無料処理を機械で行う。はい、どうぞ。みたいな。


アクアラインも渋滞もなく1時間程度で到着。
いつものことだが、だんだん風景が変わってくると被災地に来たんだと改めて思います。
アクアライン降りたあたりからビニールシートを屋根に掛けている家がちらほら。


さて、鋸南町役場(ボランティアセンター)に車を止めようとしたら、他に止めてくれと入り口で案内されるも、いざ入ってみると社協の駐車場に案内されました。

 
災害のエキスパートでもなく、社協で働いている職員やその他、他からの応援で仕切りを行わなくてはならなく慣れていない作業に慌てる場面もあります。
 

交通整理も役場の駐車場が満車にならないように。(満車だと地元の方が困る)と大変そう。

そんなこと考えずに活動が終わったのあとに座り込んで、ダラダラと大声で、あそこはどうだったとか、過去の武勇伝の自慢話に花が咲き、いかにもやりました、って感じの半ばボランティアを生業としているような、○○でも会いましたよね~?みたいな方々の車も(ry

やってんだぞ、ではなく、やらせていただきます。お世話になります。お邪魔します。の気持ちはあるのだろうか…

8時からマッチングということだけど、8時前から稼動している模様。
うらやす…じゃないんですけど、これってもしかして東日本大震災の時の残ったものなのかも。それが鋸南町で遣われているのかもしれません。

テントで一通りボランティアの話を聞いて、そのあとマッチングルームに移動。マッチングルームが溢れかえられないように無線で連絡を取りながらの移動は効率的に思えます。

ニーズに合わせて次々とマッチング。
だいたい10分くらいで6人グループにはいります。家財道具の搬出、掃除。なるべくハードな現場を希望するのは癖でしょうか。

ところで、とにかく軽トラック、チェーンソーを使える人の需要が高い。
一に軽トラ、二に軽トラ、三四がなくて五に軽トラ状態でした。
軽トラックの人は肩に軽トラックというテープを貼られます。軽トラック、欲しくなりました…w

今回のお宅はボラセンを出て1分の場所。目の前のお宅です。
家財道具の搬出とのことで行ってみると、2階部分に案内されます。
屋根が剥がれ落ち、ブルーシートが見える。
こんな状態になるという、風の強さがわかります
床のカーペットはビチョビチョで、台風から数日経ってこの陽気のせいもありカビの臭いが。
ちょうど東日本大震災で石巻に行った時の臭いであの当時が思い出されるようです。
2階部分なのに…津波が来たかのような雰囲気です
2階部分にはタンスが数竿、ベッドが4台。どう考えてもタンスやベットは狭い階段から下には出せないので解体の必要があります。インパクトドライバー持ってくればよかった。

とりあえず下ろせるものをどんどん下ろして敷地内に置くことに。家のご主人はどこから手をつけていいかわからなく、やる気が起きなくて困っていたので、とにかく中のものをすべて出すことに。

ある程度外にたまったのでリーダーの軽トラックで集積所に行ってみる。
近いと思いきや意外と遠い。車で15分程度。
集積所は渋滞が起きており、分別して所定の場所に出す感じに。
しかしながら、ここで問題発生。
右奥のマットレスが乗ってるところが濡れたものを置くスペース。どうやって行くんだ?


リーダーと道をなんとか作ります
濡れたマットレスや布団などは回収できないので、外に出してくれとのこと。
しかも、そこまで運ぶ途中には瓦礫が無造作に放置されており、まずはその瓦礫を避けて道を作ることに。

木が一番手っ取り早く、持っていくと向こうの方がどんどんおろして重機で積み重ねている。

戻ってみるとボラセンから借りてきたのか、自分で持ってきたのか、インパクトドライバーでベットを解体して下に降りていた。ガチ勢の手柄です。
床のビチョビチョのカーペットも剥がすことを提案。かなりの水分が床に。下手したら一階に落ちていくかもしれないが、それを吸い取る

そしてもうひとつの寝室の天井が完全に剥がれ落ちている。
石膏ボード?のようなものが落ちておりその処理にてこずることになりました。
厄介なのは石灰のようなものがこびりつき、グラウンドに石灰でラインを引いたような状態に。
部屋の中、廊下にこびりつき、汚れてしまいます。

かなり大きなタンスは、解体せずに、二階のマドのサッシを外して落とすことに。
(牡鹿半島でもやったけど、本当は危ないので辞めたほうがいい)
最初に大きなマットレス二枚を落としたのでそれがクッション代わりに。
と言っても破片が飛び散って二次被害が発生したら大変なことになります。

その後、一階の居間の家具を出します。畳も出す。
畳を出すとかなりカビがはえていて、家の方が「こんなにカビが。。。」と涙ぐむ。
長押にはじいちゃん、ひいじいちゃんなどご先祖の写真が飾ってあり、長い歴史を感じるこの家が、思わぬ災害により被災して普段の生活ができなくなった現実を突きつけられるようです。

二階三部屋、一階部分のものすべて撤去し、午前は終了。
9時前からできたので3時間びっちりできました。

午後は外に出した家財の解体作業、ボラセンからバールを借りてきて解体し、どんどん軽トラックに乗せていきます。
僕は二階の部分の床の汚れなどが気になったので、リーダーに言って掃除をすることにしました。
片付けをしたとはいえ、汚したままで帰るのは忍びなく、
今までさんざん見てきましたが、タノンティアでも必ず最後に掃除をして綺麗にしてたので・・・
こんな状態で終わりですとは言えない…

この白い跡…本当に厄介です。ここもこれで終わりとは言えない。
一見すると床にこびりついた石膏ボードの石灰の汚れを落とすだけだが、これがものすごい大変。水拭きを何回しても乾くと白くなってしまうのです。
濡れた雑巾で拭くときれいになるのですが、乾くと白くなる。
結局木の木目の間に石灰の粉が入ってしまい、乾くと白く見えると言う感じです。
中腰で雑巾がけをしますが、そのうちきつくなり膝をついて雑巾がけに。
3回くらいやってなんとか白さはなくなりますが完璧とは言えないが時間がなく乾拭きして終了。
ネズミの糞が結構ありましたが、この際そんなことどうこう言ってられません。
最後の乾拭きでなんとか…って感じです。
これが限界でした。申し訳ないです…
二階へ続く階段も同様。
いくら捨ててしまう家財搬出のためという大義名分があったとしても、人の家に土足で上がり込み、踏み散らかして汚してそのままって訳にはいかない。今まで生活をしていた部屋が逆にガランとして、残ったのは大量の汚れだとしたら家の方も寂しいでしょう。

他の人達はあまり気にも留めていない感じでしたが、まぁこれは仕方ないです。とにかく家財を搬出し一生懸命解体してくれていますから、誰かがやればいいのです。

なんとかもうこれ以上は無理だ、って状態にして下に降りると、解体→搬出もなんとか終わっていた模様。リーダーは軽トラックで木材を集積所に運んでいるようでした。
あれだけとっ散らかっていた家の前の駐車場も綺麗になっています。

他の人達はやることがなく、
「とりあえずは終わったんで終わりでいいですかね?」と聞いてきたので、
「リーダーは?」と言ったら軽トラックで木材を運んでいるとのこと。
「待ってたほうがいいですかね、終わったから解散でもいいですかね?」
普通は最後に全員で挨拶して終わりでしょうけど、
「自分が残るのでもう終わりにしちゃってもいいんじゃないですか」
と言って現地解散に。

その後、家主さんと話ししながら家の前の掃除をします。
「二階部分がまだちょっと白くなっちゃってて…すみません」
「いやいや、本当にこんなにしてもらって…助かった…これでやっとやる気が出てきた」
などとしきりにお礼を述べられるけど、逆にもっとできなくて申し訳ないと言う気持ちしかない。
白い石灰の跡…高圧洗浄かけたい。
保険は入ってるけど、最大で30~60万くらいしか出ない。
半壊、全壊扱いじゃないと出ないんだ、と隣の家の人が来て話してました。
もっと派手に壊してほしかったとか冗談交じりに話してましたが、激甚災害に認定されたから、ちょっとは保険の認定が緩くなったと思いますが、ここには伝わっていないのかな。

言っちゃ悪いけど、そんな端金で家の復旧ができるわけない。
高齢の方はあと何年住むかわからないであろう家に果たしていくら払えるのだろう、という。
なんだ、被災してお金もらえていいじゃん、と勘違いする人がいるかもしれないけど、完全に家にちゃんと住めるようになるまでどれくらいかかるのか。時間と金と…
人が安心して生活するためにどれくらい大変なのか、ここに来るとわかると思う。

地元千葉で困ってる人のために。。。とお金持ってる人が動いてくれたら、と思います。
(月旅行の批判じゃないですよ)

ボラセンに戻り、災害派遣従事車両の復路の申請書にはんこをもらい、終了。
久々の例のポーズ

なお、何時に来てもニーズはあり、午後に来ても現場を紹介されていたようなので、人手は足りていないんだと思います。親子、友達、大学生、初めてやる真新しい靴などで頑張ろうとしている。
老若男女がなにか役にたてることはないか、と懸命です。

一年ぶりの作業でしたが、まだニーズがあれば行こうと思います。
横浜からはアクアラインを使うと近いし、災害派遣従事車両申請で高速代も無料措置なので行きやすい。

オチとしては「アクアラインの大渋滞」料金所の例の作業もそうですが、元々アクアラインは夕方は大渋滞するということ。眠気との勝負にも打ち勝ちなんとか帰宅。
東京方面、アクアライン手前だと、トイレ休憩、水分補給は君津PAでお早めに。



今回のまとめ
・とにかく軽トラック!
・チェーンソーも必要。
・発電機を持っていこうとしたけど、電気は通っていた。
・まだまだ水が残っているので対策は必要。
・石膏ボードが落ちていた場合は処理に気をつける。
 (とにかくなるべく土のうなどにそっと詰めるようにする)
・バール、インパクトドライバーはあって損はない。
・服装はある程度濡れてもいいような服装。場所によってはヘルメットも必要。
・手袋は普通の作業用のグローブと、耐水のものがあったほうがいい。
・長靴は、踏み抜き防止の鉄板入り、つま先もガードされている安全靴が好ましい。
・現地の方は疲れているので、ここはやりますから休んでいて下さい、という気持ちで!
・捨てていいもの、だめなものは必ず確認。何でも捨ててしまおうとした場合もある。
・タンスが水分で膨張して開かない場合はバールで開けて中を確認してもらう。
 (下着やプライベートなものもあるので、必ず開けるときには家の人立ち会いのもとで無闇に見ないようにする。)
・混み合うので、災害派遣従事車両証明書は書き込んだものを準備して判をもらうだけの状態に。
・災害派遣従事車両証明を使用する場合は必ず身分証が必要になる。
・今後、床板剥がし→モグラ→消毒の作業も必要になってくる可能性あり。

なお、報道でもわかるように、素人が屋根に乗るのは危険なので絶対にしないようにすることですね。ハーネスなど固定する位置も素人じゃわからないので…

見返り美人!
鋸南で唯一買い食いしたソフト。
二日後に大腸ポリープの切除があるため、せっかくの千葉なのに特に何も食わずに帰宅。道の駅で食べたソフトが本当に美味しかった…
また時間見つけて行ってみよう、次は帰りに「ちばから」か「零一弐三」(すうじ)狙ってみようかな…