2013年3月27日水曜日

2013年3月24日(日) 活動報告(南三陸町漁業支援_志津川漁港)

皆様こんにちは、ジュンヤです。
今回も、南三陸に行って来ました。
そして、今回も卒業生が参加。春から高校3年生の山脇さん、笹原さん。二人は去年の5月にRerootsに参加しようと来仙しましたが、かなりの土砂降りで何もせずに終わってしまうということもあり今回リベンジ。二人とも超が10個つくくらい優しくていい子です。
日曜の5時過ぎに高速バスで横浜からやってきました。
最初はRerootsに、ということでしたが、せっかくなので南三陸へ、と打診したら時間が厳しくなっても行きたいとやる気満々でした。

今回は南三陸の前日のブログの様子から漁業支援の可能性が高いと思って行ってみると…
やはり当日のニーズは上山(がれき)と漁業支援でした。人は多くかなり混雑した感じです。


結構早く並んでいたこと、少人数グループであることもあってか志津川漁港に決まりました。
自分たち三人と、茨城から来た兄弟二人(高校生と大学生の仲の良い兄妹)のチームです。
志津川漁港はちょうど水門がある横の辺りで、行ってみるとワカメの水揚げ、釜茹でで、
すでに岩手からのバスツアーの方々がお手伝いしています。


初めて見るワカメの処理に期待も膨らみます。
まずはメカブの下処理。
茎についた葉を専用の道具でするりとむきます。
慣れてくると手際よくできますが、するりとむけた時は気持ちが良い。

するすると茎からメカブをはずしていきます。
作業していると漁師さんが茹でたてのメカブをご馳走してくれましたが、これがまた…
シャキシャキしているだけでなく風味も豊か。味付けは何もしなくても塩分が程よく、
そしてあの粘りもしっかりしている。こんなメカブは食ったことありません。
初めて食べるメカブにちょっと戸惑う二人
思わぬ差し入れに俄然やる気が出てどんどん作業をしていくとかごに20個ほどあったメカブのカゴはは11時前にはすべて終わりました。まさかこれで終わりか、と思いきや次に向かったのは仮設漁港。

トラックにメカブを積み込む時にひとケースをお土産に、と頂きました。
天然の生メカブ。とんでもない量です。

このうち一ケースをいただきました。
仮設漁港に行ってみるとテントと小屋が数件あり、まずは小屋に案内され、お茶っこ飲みです。
遠くに上山地区で働くチームが見えました。
『さむがったでしょう、あがってけらいん』と熱々のコーヒーやらお菓子やら振舞われます。
そうこうしているうちに『男たち』も戻って合流。
休憩後はワカメの仕分け作業。
大きいワカメは根元を揃えて寝かせ、茎の部分、そして50センチ未満のものと分けていきます
長いワカメを同じ方向に揃える時に根元(茎の部分)をカットする。
適量になったら紐で束ねる。の繰り返し作業。

高校生たちはどこから切っていいか分からなかったようですが、漁師さんの仕事を見ていたらどうやら適当のようでした。
『あどはかあちゃんたちがやってくれっから。まがせりゃいいんだ』と。
『ほれ、一応ちょっとでもきっどがないど、なにやってんだべ!とこしゃがれっがら』と。
やはりどの職場でも強いのは女性のようです。

だんだん作業にも慣れ色々と話も聞けました。
このワカメは既に塩で茹でてある塩蔵ワカメだけど、店で売ってるワカメに塩をまぶされているのは、目方を増やすためだとか、実はカットした根元の部分が一番美味しいから売り物にはならないけど猟師さんたちは一年分は保存してあるとか、この時期はワカメの最盛期なので人手が足りないとか…
瓦礫の掃除では聞けない、土地の方々の話が聞けるだけでもありがたい。
そうこうしているうちに昼休憩。
小屋の中では若い女性が来たからか、お父様方のテンションが高い感じです。ワカメの漬け物や色々な手作りの惣菜が振舞われます。
茎ワカメのキムチ。ピリっとしてシャキシャキ。おいしゅうございます。
そして色々な話になります。どこから来たのか、なんでやろうという気持ちになってくれたのか、などの質問から始まり、ワカメ漁について、そして震災について…色々な話を伺うことができました。

海辺に住む人達は津波に関して敏感だからすぐに逃げるけど、内陸に行くほど『津波と言ってもたいしたことないだろう』と思う人が増えてくるから逃げ切れずに助からなかった人が多かった話や、やはり最初の3mと言う情報が全くデタラメで10m以上の津波が来るならそれをきちんと伝えて欲しかったこと。小学校の時のチリ地震の津波の時はランドセルを背負って必死に高台に逃げたことも語られていました。

そして生ワカメをわざわざ持ってきて、シャブシャブをご馳走してくれました。
茶色いワカメが一瞬にして緑色に変わる瞬間に高校生たちも大喜びで、さらにそれを振舞ってくれたのでこのうえない贅沢を味わいました。


茹ですぎないワカメのシャブシャブ。味付けは一切不要
午後の作業になると、そわそわしていた大将がす~っと居なくなりどこかへ行ってしまいます。
どうも今日のGⅠレース(高松宮記念)の馬券を買いに水沢まで行ったようです。当たったかどうだか、気になりますが…
午後はだいぶ作業にもなれどんどん処理できます。
お母さんたちがいる小屋の中ではここで仕分けしたものを更に細かく茎などを取り除き出荷する寸前の状態に仕上げるようです。

午後三時前終了。
小屋の中で処理したワカメを専用の機械で脱水します。搾り出された泡交じりの海水を見ておじさんが『ワカメのおし○こ』だとおどけてみせました。

5分おきに圧搾作業を繰り返し、2時間掛けて水分を抜いていくそうです。
そして、量を測って箱詰めし出荷のようです。

とにかく一生分のワカメを見たなと言う感じでした。
帰りに大量のメカブ、生ワカメ、塩蔵ワカメなどを頂きました。
アルバイトじゃなくてボランティアなのでと固辞しましたが、どうしても三陸のワカメを食べて欲しい
、遠くからわざわざ来てくれて手ぶらで帰らせられない、と言う皆様の好意に甘えることにします。
こういう気持ちって本当に嬉しいものです。
ありがたく頂いて美味しく頂きたいと思います。
高校生たちもすっかりとお父さん達と意気投合。南三陸の温かさに触れた一日となりました。


なお、漁業支援に行けるポイントがいくつかあると気づきました。
 ①ボランティア申込用紙の希望の作業の欄に漁業支援と書く。
 ②なるべく数人で参加。
 ③8時半の受付より先に並んでいる。
 ④12月から4月頃がかきいれどきなので、この時期に行く。
※グローブは食品なので新品のものを使用することをオススメします。メカブは厚手のゴム手袋の方がいいと思われます。後は滑らないようにザラザラしたものだといいかと思いました。ワカメの仕分け作業は手先が細かい作業となるので一般的なパワーグローブみたいなのが使いやすいです。

みなさん、明るく楽しそうに作業していますが、大半は仮設住宅暮らしだと聞きました。
僕らはちょっとでも力になれたらいい。またもとのように戻って欲しい、と切に願います。

ボラセンに戻ると本日行われていた89ersの試合も終了し、多くの人がベイサイドアリーナから出てきました。

ちなみに仙台の89ersの創設者、代表はは高校の時のバスケの中村先輩です。
http://www.89ers.jp/team/staff/index_staff.html
残念ながら大阪に負けてしまったようです。

帰りに防災庁舎でお線香をあげ、さんさん商店街を流し横浜へ帰りました。
漁業支援、有意義な時間を過ごせました。ボラセン通さないで行けそうかも。
それから残念なことに災害派遣従事車両証明が3月一杯で終わりになってしまうようです。
まだまだ被災地ではたくさんやるべきことがあるのに…多くの方々に行ってもらうには延長がベターなのですが…。でも終わったからと行って行くのは止めませんけど。
最後のお決まりのタノンティアポーズも。(なんで目を隠すんですか?と聞かれましたが…)